BLOG 2019.12.09

借景（誤用）＠旭工務店

借景（シャッケイ）とは、庭園の構成に背景景観を取り入れる技法のことを呼びます。

下のような写真は、窓から隣の家の庭の景色がうつっているものですが
本来の意味で言うと借景とはあらわせません。
お隣さんの庭の景色を借りるので、借景って言いたくなりますが
誤用となります。
 
借景とは、自分の家の庭があることを前提として
「自分の庭」の背景（主に自然の風景）を借りること、あくまでも自分の家の庭をつくる技法なんですね。
 
ただ、私どもが生活している地域（や時代）の住宅事情を考えると
庭をとることがスペース的/予算的に厳しかったり、そもそも庭をつくって維持することに関心がない方もいらっしゃいます。
それでも、家にいながら自然や季節の移ろいを感じられたら良いなぁという気持ちは多くの方が持っています。
 
なので、もし良い景色が家の周りにある場合、
プランニングに積極的に借景（誤用）を取り入れたいと思いますし
窓の外にはミドリが映るよう植栽を配置したり、景色を作れるよう工夫をしたいと思います。
本来の借景とは、（自分の家の）庭が主体となるわけですが
その主体を建物の中まで拡張したカタチです。勝手な解釈ですが
言葉の意味にこだわる必要はあまり無いと思っています。