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BLOG 2020.02.15

屋根葺@佐伯町の家

IMG_1596
 
赤い屋根!
ガルバ合金のたて平です。
最近は割と一般的な屋根材ですが
このたて平は、本当のたて平なんです。
本当のたて平、というと語弊があるかもですが
世の中で、ガルバたて平とよばれているものは大体がクイックルーフという
屋根材同士の勘合が簡易に施工できるよう工場加工された商品なんですね。
クイックルーフは継ぎ目をパチッパチッと組み立てていく感じなんですが
この写真のものは、勘合部分を板金職人が専用の道具を使って少しずつカシメ(加締)ていきます。
 
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左の線が細くなっているところは、カシメられた状態。
右はこれから締めていくところ。勘合部分が3mm程度となります。
クイックルーフはパチッとはめて終了(締めることはできません)なので20mm程度になります。
 
2つの方法、良いとこ、悪いとこがありますし
一般の方は、言われても多分区別が付かないと思います。
職人の手間が圧倒的に違うので、普通はクイックルーフを使いますし
弊社でも、現場によってはクイックルーフも使用します。
 
ただ、佐伯町の家の場合 屋根の構成上
板金の現場加工をしないと美しく納まらない箇所があり
クイックルーフは性質上、現場加工に向いていないんです。
なので、本現場ではクイックルーフは使えません。
 
屋根の材料には、多くの方が関心を持つところだと思います。
瓦、板金、カラーベスト等々。
 
ただ、同じ材料を指定したとしても
設計者の思いや
職人の意識で、ディテールの納まりに差が必ず出てきます。
ひとつひとつは、言われなければ分からない(言われても分からないかも)部分に過ぎませんが
その部分部分は 積み重なってひとつの建物を成り立たせ
全体をみたとき、理由ははっきり分からないとしても
何となく、良い家(手間や思いのこもった家)と感じられるのだと信じています。
 
手間暇を掛けることが施主にとって必ずしも良いというわけではありませんが
専門家で無いと分からない勝手な理由で、その手間暇を惜しんでいては
人間の思いは、建物の姿には映ってはこないのだと。