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BLOG 2020.03.05
細部へのこだわり♯3
これは、串戸の家の脱衣室への入り口 木製のフローリングとビニルシートとの境目を撮ったところです。
フローリングと、シートの「取り合い」箇所と表現したりします。
今回の御紹介するこだわりポイントは、
このとりあい箇所の「見切り部材」についてです。
見切(部材)というのは、一般の方にはなじみの無いものと思われますが
建築業界では頻繁に使う言葉、部材です。
簡単に言うと、違う材料同士がぶつかる箇所に挿入して
施工性機能性を確保する部材です。
この写真の場合は、木製フローリングと、ビニルシートがぶつかる箇所に見切りを入れています。
場合によっては、モルタルと木材、とかガラスとコンクリート、
同じ材料同士でも色や柄を切り替えたりする場合に挿入したりします。
例えば塗り絵なんかする場合、違う色同士がぶつからところには、区切りの線を入れたいですよね? その線が見切りです。
木製のフローリングと、畳の部屋の間に敷居がある場面を想像してもらえると理解しやすいかもしれません。
この敷居も、ある意味では見切り材料です。敷居がないと、フローリングと畳が直接ぶつかって
いわゆるシマイが悪い、納まらない、という状態になります。
さて今回の話題は、この見切り材料について。
弊社では、床見切りにこのようなステンレスのフラットバーを標準採用しています。
一般的には、プラスチックの材料を使用することが多いです。
大体、メーカーさんが建具のオプションで取り揃えている既製品材料を使うことが多いので
樹脂製品になるのでしょう。分譲住宅等では99パーセント、プラスチックだと思われます。
この見切り材料、掲題の通り本当に細部の話です。
普通いわれなければ何も思わないと思います。
ただ、されど見切り。せっかくカッコ良い仕上げ材料を使っても、この見切りがイマイチだと
その材料の魅力が充分に活きません。
とりわけ、木材のようなやわらかい雰囲気の材料には
こういった金属の固そうなソリッド感のあるものをビシッといれると
視覚的に、シマッて材料のよさが引き立ちます。
シンプルで洗練されたビジュアルをつくっていくためには
できるだけ余計なライン(場を構成する要素)を省いていくこと肝要です。
ただ、機能的に必要な要素、材料がある場合には
その材料を吟味し、潔くビシッとそれをいれてやること。
この考えは、「見切り」というイチ部材に限らず
家作り全体に対して共通してもっている姿勢です。
@扇園の家 上/磁器質タイルとフローリング、 下/プラスチックタイルとフローリング 間に入れたステンレス製の見切り。