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BLOG 2020.05.14

ディテール解説@佐伯町の家

佐伯町の家、外壁に設けている木製見切りです。
モルタル塗りの外壁でもサイディングの壁でも
垂れ壁部分(オーバーハング部)に、弊社ではよく使うディテールですが
外観上の飾りとしではなく、機能部材としての必要性を少しご紹介してみたいと思います。
 
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@地御前の家
 
 
木製見切りの断面形状をご覧いただくと
建物に向かって上りの勾配をとっているのがお分かりになると思います。
 
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建物への雨水の侵入を防ぐための仕事を総称して、雨仕舞い(アマジマイ)と私どもは呼びますが
この見切りにも、実は雨仕舞いとしての機能を持たせています。
 
言うまでもありませんが、水は低い方に流れます。
勾配をとってやることで建物方向に雨水が流れ込むことを防ぐ、
あるいは建物の外に排出してやるというのは
最もシンプルでありながら、最も確実な雨仕舞いのメカニズムであり、意匠となります。
 
建物の屋根がナナメなのは、、、そう言うことなんです。
 
当たり前のことすぎるかもしれませんが、
その当たり前の理屈が、実は一番大切なことのひとつで
そう考えると、わたしどもの仕事の多くは
本来すごく単純で、簡単なもののような気がしてきますね。