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BLOG 2020.05.29
化粧柱&梁@佐伯町の家
佐伯町の家、南側田園風景をのぞむ縁側です。
縁側は、柱、桁(ケタ)ともに構造体をアラワシとして
雰囲気を盛り上げています。
ダイナミック、と言えるほどのスケールではありませんが
このように
柱や梁がみえる空間というものは
何となく、力強さというか安心感が感じられて良いものになると思っています。
昔ながらの和室にいると、落ち着くわぁというのは
多分、建物の構造体である柱が目に見えているということが
大きく影響しているのではないでしょうか?
意識しているか、無意識かは別として
建物を実際に支えている柱に、手で触ることができる空間というのは
きっと根本的な意識レベル(本能)で、落ち着くのでしょう。
そのままの状態で仕上げる建材(塗装をかけたり、上にビニルクロスなどを貼らない)
を化粧材と私どもは呼びますが
化粧材料には
今回杉を選んでいます。
梁桁には、通常松を使用することが多いのですが
諸事情、というか施主の御芳名にちなんで
杉を使ってみました。
柱の真ん中に上から下まで溝が走っているのが分かりますかね?
これは、割れてしまったわけではなくて
最初から割ってるんです。これを背割りと呼びます。
あまり細かくいうと、あれなんですが
木材は乾燥収縮によって、基本的に割れたりヒビ(クラック)が入るものです。
どうせ割れるのであれば
先に割っとこう。というのがこの背割り。
ヒビや割れ、クラックなんかがおきる仕上げ材料(例えばコンクリート)なんかでも
スリットや目地を入れてやることがありますが
それと同じ考え方ですね。
コンクリートとかの場合もっとダイレクトな表現で、クラック誘発目地、とか呼びます。
4面化粧(四方が全部見える)の場合、
割れない材料を使い、背割りを避けるのが基本的な考え方ではありますが
背割りが見えても、これはこれであり、と考えています。
室内だと、気になるかもですが。
それはお財布との相談になってきます。
割れない(割れにくい)材料は、とても高価なのですが
ここらへんの理屈は木材の特性が関わってきて
非常に面白いところです。
が、それはまたの機会にお話させていただきましょう。