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BLOG 2020.06.12

コンセプト解説@佐伯町の家

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オープンハウスのフライヤー(ビラ)作成のために
調整したデザインです。
 
この写真、みなさまどうお思いでしょう?

対象の新築住宅が、まずどこにあるのかぱっとわからないし
シルエットがはっきりしない。「家」があまり目立たないと思います。
 
土地をはじめて見学させてもらったときからのコンセプトとして
その風景に馴染む建物にする、という考えが大原則としてありました。
 
この家の周囲の環境、田園地域ではありますが
佐伯町の中でも商業施設や公共施設があつまっているエリアですので
結構建物が多いです。
つまり吉和の森のように、大自然の中で暮らす、というロケーションではないということです。
別荘地のようなところでしたら、
自然の中にキレイな建物が「たたずむ」、という感じのショットになるでしょう。
でも、対象地はそんな滅茶苦茶な田舎ではないんです。
ある意味、現代のリアルな田園風景、大げさにいってしまえばこの国の-郊外-の原風景、ともいえるロケーションです。
 
著名なフォトグラファーで、ホンマタカシさんという方がおってですが
デザインのセンスを社会学的見地をベースに表現される稀有な写真家だと思います。
その方の作品で「東京郊外」というものがあるのですが
この写真は、僭越ながらその作品の雰囲気をかなり意識しています。
興味のある方は、ググって見てください。
 
かなりざっくりと、小難しいことを言っているようですが
要は、わが社の共通理念である「悪目立ちしない建物」をあらわしています。
 
たとえばこの家の外観的な特徴として
赤い屋根があげられますが
昔の田舎の家って、案外派手な色の釉薬瓦を使われている家が多いんですよね。
赤茶色、オレンジ、青色の瓦の家、田舎のほうでよく見ません?
そういうことなんです。
 
外観の仕上げ材料でいうと、実は外壁は当初
ガルバリウムの金属板を予定していました。
もっと硬質で、シャープなイメージでプレゼンテーションをしたのですが
途中で、やっぱこの場所は左官塗りだわ、と
施主に無理を言って変更の提案をさせていただきました。
ヨソから引っ越してきた若者の新築住宅、という雰囲気を
できるだけ抑えたい、という思いもあったんですね。
 

 
もちろん、
建物を実際に見られた方には
特別感を感じられるような
カッコ良い家にしたつもりですので
是非ご期待ください。
家の中も見所いっぱいですが
できれば、ちょっと離れた川沿いの小路から
この風景をみてもらいたいですね。