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BLOG 2020.10.26

風への備え@柿の浦の家

垂木が掛かった姿、カッコ良いですねー。
しかし残念ながらこの姿は、一瞬で見ることができなくなります。
 
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垂木の上にはこういう風に合板(野地板と呼びます)を敷き詰めます。これが屋根の下地になるんですね。
 
さて、
上棟の日も風が強くてクレーンさんが少し難儀していましたが、
海を臨む高台というロケーション柄、
普通の場所よりも風が強いということを想定する必要があります。
 
それでは、具体的に何を考慮するか。
直接的に下からの吹き上げに対して屋根を保持するために必要な処置を検討します。
 
これは、
別にうちが特別なことをしているわけではないので、あえて自慢げに言うことではないのですが
屋根垂木を桁(母屋)に留める金物は、タルキック、という専用のビスを使用しています。
さて、垂木のサイズに対して、適正な長さのタルキックを選定しますが
今回はゆとりをもって、標準よりも長いタルキックを使用しました。
あわせて、両側面からの釘打も併用しています。
 
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ここらへんの構造金物というのは、
法令で定められた中間検査では、基本的には施工チェックが入らないので
施工管理者(工務店/ハウスメーカー)、監理者(設計者)に一任されているケースがほとんどだと思われます。
ただ、実際には、垂木を留めたらすぐに野地板をのせてしまうので
施工確認の難易度としては結構高め、というか意識していないと、
まず確認は不可能なんですね。
 
建物の構造信頼性という点においては、
多くの方が耐震性、要は地震に対する備えにばかり目がいきがちですが
あたりまえのことなのですが
風に対する備えも同等に大切です。
 
部材同士をつなぐ場所のことを接合部と呼びますが
今回話題にした箇所の接合部は、
風への対抗力のために確りとした設計検討、
施工の確認が非常に重要なポイントです。