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BLOG 2020.07.30
道具へのこだわり@文房具♯5-2
文房具シリーズ第5弾、の製品中から
ハイテク商品を1点ピックアップしてご紹介。
三菱鉛筆が開発したシャープペンシル「クルトガ」です。
狭義における筆記具というのは、構造上
技術的なブレークスルーを生み出し難い性質をもっています。
その中で各社がどうにかこうにか差別化につながる新しい付加価値を
模索して、いろんな商品を開発されていることと思います。
そういった開発競争の中では
無理くり、無駄な機能を搭載して
話題性だけを残した結果、
出てはすぐ消え、という商品も多いのが実情っぽいですよね。
そんな中でこのクルトガは、革新的な技術を打ち出した結果
2008年の発売以来、定番化しているので
昨今の文房具界では珍しい
大ヒット商品といえるのでは、と思います。
クルトガ、その名の通り
書いていると、くるくる芯が廻る構造になっています。
これの何が良いのか、どういう意味があるのか
たぶん普段からシャーペンを愛用されている方で
かつ、描くものにある程度こだわりを持っている方で無いと
ピンとこないかもですね。
これ、上下とも同じ普通のシャーペンを使って書いてみました。
同じ0.7mmの芯なのですが、
見比べてみると、下のほうが細い線になっているのが
わかるでしょう。
通常のシャーペンだと、書き方でこれだけ線に差が出ます。
この、下の状態に近い筆跡をキープするために
クルトガは、くるくる勝手に廻ってくれるんですね。
こういう細いラインをキープするためには
従来は線を書いている途中で、自分の手でシャーペンを回していました。
普通に文字を書く方でも、当たり前に、
なかば無意識にペンを回転させる動作をされる方もいらっしゃるでしょう。
そのペンを回す作業が省略される、、、
それって、そんなに魅力的か、!?
と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
こんな商品は邪道よ、という方もいらっしゃいます。
ただ、(自信は無いのですが)
シャーペンって、シャープ(家電メーカーのSHARP)が開発したから、というのが由来だったと思うのですが
そもそもシャープって「尖った」、という意味です。
そういう意味では、このクルトガ
シャーペンの王道、本質的な価値を追求した商品なのでは、と思います。
尖るということは細い線、シャープな線、の実現を意味しますので。
シャーペンの価値って、
鉛筆との構造上の差異
(鉛筆 / 削る ⇔ シャーペン / 芯を交換する)
の方に、どちらかというと重きを置いている方が多いのではないかと思います。
でも、実はその構造上の差異というのは副次的なもので
「シャープな線」を描くということが本来の目的なのではないでしょうか。
何を当たり前なことを、、
と感じられる方もおってかもしれません。
というかだからこそ
このクルトガ、多くの方に
受け入れられ、定番商品に成長したのでしょうね。
会社名(商品名)がモノの名前に定着しているものって
気づかずによくあります。文房具には、多い気がしますね。
有名どころだと、セロテープとかホチキスあたりでしょうか。
シャーペンは、ちとニュアンスが違って
別次元にその名前が一般化してしまった例かなと思います。
ちなみに英語でシャーペンは
メカニカルペンシル、というそうで。。
シャープ要素が全く無いので、、
この記事の筋が通らなくなりそうですが、、、。
ここらへんの由来に詳しい方いらっしゃったら教えてください!