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BLOG 2020.10.08

基礎型枠組@柿の浦の家

先日配筋検査を終えた、基礎工事ですが
現在立ち上がりの型枠を組んでいる状態です。
 
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私どもが手がける木造住宅の場合、
やはり大工が主役、木工事について触れることが多くなってしまいますが
基礎の構造である鉄筋コンクリート造について少し。
 
鉄筋コンクリート造(RC/REINFORCED CONCRETE)、
鉄筋が入っていないコンクリートを無筋コンクリートと言います。
大体、築35年以上?くらいの木造住宅の場合、基礎は無筋コンクリートのことが多いです。
 
RC造というのは
コンクリートを補強するために、コンクリート内部に鉄筋を入れています。
コンクリートの性質、鉄筋の性質、詳しく話し出すと
すごくながいお話になりますが
簡単に言うと、コンクリートというのは押される力(圧縮力)には強いんですが
引っ張られる力には弱い。
鉄は、その逆なんです。
つまり、
コンクリート、鉄筋それぞれの長所短所をお互いに補い合った構造となっているわけで
この組合せは、人智を超えたキセキのマッチングなんですねぇ。
料理で例えるなら、
カプレーゼにおけるトマトとモッツァレラチーズの関係のようです。
 
RCがなぜキセキの組合せなのか
ほんの少しだけ、かいつまんでご紹介いたします。
 
鉄筋、まぁ鉄ですね。鉄というものの最大の敵は、
皆様ご存知のよう、錆び(サビ)です。
鉄は錆びると強度を失って、もろくなってしまいます。
 
その鉄ですが、コンクリートの中に正しくあると、錆びないんです。
なぜか。
コンクリートは強いアルカリ性なんです。
アルカリ性の反対(対抗するもの)はなんでしょう?
酸性です。
サビ、というのは酸化することで起こる化学現象です。
強いアルカリ性は、
酸化に対して対抗することができます。
なので、アルカリ性のコンクリートの中にある限り、鉄は錆びず、その強さを保つことができるんですねぇ。
 
キセキをご理解いただくため、もう一歩踏み込みます。
こういった組合せが成り立つ条件として、実は熱膨張係数、というものが関わってきます。
熱膨張係数、というのは、
一定の温度を加えたとき、どのくらいふくらむか、ということを示した数値です。
ゴムなんかを想像してください。
冷たいときよりも暑いときのほうが伸びてる感じしません?
基本的には、暑いと、ものはふくらむで、寒いと縮む。
その度合いを示したものが熱膨張係数です。
 
RC造は、コンクリートと鉄筋の熱膨張係数が同一でないと、成り立ちません。
なぜかというと、
例えばコンクリートよりも鉄の熱膨張係数が大きいと
暑くなると鉄の膨張をコンクリートが抱え切れず、コンクリートが破裂れてしまうのです。
熱膨張係数が同じの場合、暑くなったら
鉄もコンクリートも同じだけ膨らんで大きくなるので
構造が保たれるんです。
 
その熱膨張係数、
鉄、コンクリートともにα=10×10^-5/℃!!
一緒だから、組み合わせたのか
組み合わせたら、たまたま上手くいった(一緒だった)のか。
多分後者ではないかと考えています。
 
そもそも、コンクリートの構造(セメント、水、石)からしてそうなんですが
こういう建築の根幹を成すような仕組み、メカニズムというものは
多分、特定のだれかが発明したものではないんだと思います。
ゆえに、キセキと表現しますが、、
とても不思議で、ロマンあふれることだと思いませんか?