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BLOG 2021.05.29
air conditioner @地御前の家-O
地御前の家、2FLDK全景の感じ。大工さんが作業がんばっていますね。
さて
注目いただきたいのは赤でマークしている箇所。
拡大したところ。
お話したいのは
空調設備としての扇風機自体についてというより
その使い方について。
この扇風機の置き方、違和感ありません?
普通、部屋の内側(人がいるところ)に向けて置きますよね?
扇風機を(窓)外に向けてますが、
別にこれは、大工さんの頭がおかしくなってしまったわけではありません。
もちろん、意図があります。
この使い方をすると、どのような作用(現象)が起きるか、
ピンと来るかたは、
想像力豊かな方、
自然科学/建築的な知識がしっかりされている方なのかなと思います。
この配置というのは、
扇風機が起こす風を直接体などにあててやる、というフツウの使い方ではなく
部屋の空気を窓の外に排出してやる、という使い方をしているわけです。
つまり、換気扇として扇風機を使っているわけですね。
それでは、換気扇(排出機)がこの場所にあるとどうなるか?
こういうことです。
窓際で空気を室外に排出すると、建物の反対側の窓から、排出された空気と同じだけの空気が入ってきます。
(空気が出て行く一方で、入ってこなかったら、大工さん、息が出来なくて死んじゃいますよね?)
この現象は扇風機を回している限り、連続しておこるわけです。
さて、こういった空気の移動(流れ)をなんて呼ぶかというと
そう 「風」 ですよね。
扇風機の直接的なつよい風を作業現場に向けていると粉塵が舞ってしまって困ります。
なので、大工さんは扇風機を換気扇として使うことで、部屋の 反対側 から空気を取り入れ
作業空間に快い風(空気の流れ)を作ってやっているわけですね。
こうやって
説明していく分には
別に、とりたてて難しいオハナシでは無いのですが
こういう発想(知識)を日常的に取り入れられるかどうかはまた別。
多分結構、難しいんじゃないですかね。
自然の風が、どのようなメカニズムで発生するのか
その風をどうやって、利用してやるか というのは、もちろん基本的な建築の考えなわけですが
機械を利用して、心地よい空間をどうつくっていくか、という考えのほうが
私たちをとりまく環境においては
主流になってきています。
いまハヤリの24時間空調(熱交換)とかっていうのは
窓開けないこと前提ですから。
大切なのは、自然と機械、バランスですね